ギリシャ神話に登場するメデューサが怪物になった理由

  1. よみもの

ギリシャ神話には古代の哲学や思想のみならず、キリスト教神学にも大きな影響を与えており、さらに、現代まで大きく影響を与え続けています。
ギリシャ神話のなかには今でも語り継がれている登場人物が数多くいますが、今回は怪物になった悲劇の女性、メデューサについてご紹介します。

1.ギリシャ神話とは?

ギリシャ神話とは?
まずは、ギリシャ神話について説明します。ギリシャ神話とは、古代ギリシャの諸民族に伝わった神話や伝説を、さまざまな伝承や挿話の要素を組み込みながらできた、世界の始まりや神々、英雄たちの物語です。
これらの物語の始まりは、紀元前15世紀頃に遡ると言われています。長い間、口承形式で伝えられてきました。
口承のみで語り継がれていた神話ですが、紀元前8世紀の詩人ヘーシオドスが、現存する文献の中で初めて文字の形で記録に納め物語を伝えました。このようにして、紀元前9世紀から8世紀に「体系的なギリシャ神話」がギリシャ世界において成立したと考えられています。
古代ギリシャ人の標準教養としてはもちろん、古代の地中海世界での共通知識として、ギリシャ人以外にも広く知れ渡っています。当時のギリシャ人の世界には、神話としての物語がすでに存在していました。
そして人々は、この地上に神々や精霊が存在し、天の彼方には偉大な神が存在することを信じていたのです。しかし、自分たちが信じている神々や精霊がどのような名前を持ち、どのような存在なのかまでは知りませんでした。
このとき、どのような神が天や大地、森に存在するかを教えていたのは吟遊詩人たちでした。神の霊が詩人の心に宿り、神々の世界の真実を伝え、詩人は姿の見えない神々に関する知識を人間に解き明かす存在となっていたのです。

2.メデューサとはどのような人物だったのか?

ギリシャ神話に登場するメデューサは、ゴルゴン三姉妹の三女です。「ステンノー」と「エウリュアレー」という姉もいました。
ゴルゴンとメデューサの違いは、集団か個人かで呼び方が変わっているのです。「ゴルゴン」は3姉妹の怪物をまとめた名称であり、その中の末娘にあたる怪物(1体の怪物)が「メデューサ」となります。
メドゥーサという名前には、次のような特徴があります。

  • 髪の毛が無数の毒蛇
  • 猪のような牙を生やしている
  • 青銅の腕と黄金の翼を持っている
  • 宝石のように輝く目で、見た者を石に変えてしまう

ヘーシオドスの「神統記」などによると、ゴルゴン三姉妹の父は海神「ポルキュース」、母はポルキュースの妹「ケートー」で、ゴルゴン三姉妹の他に「グライアイ」と呼ばれる三姉妹もいました。
メドゥーサは生まれた時から怪物だったわけではなく、むしろメデューサを含めたゴルゴン三姉妹はもともと美しい女性だったと言われてます。

3.メデューサが怪物になった理由

メデューサが怪物になった理由

では、なぜ美しい女性だったメデューサは怪物になったのでしょうか。
元々、メドゥーサは美しい長髪の女性で、海神「ポセイドン」が愛してしまうほどの美貌を持っていました。ポセイドンは最高神ゼウスに次ぐ圧倒的な強さを誇る、ギリシャ神話の海と地震を司る神です。
メデューサはポセイドンの愛人として日々を過ごしますが、ある日、二人はあろうことか処女神アテーナーの神殿で関係を持ってしまいます。アテーナーは怒り狂いますが、高位な大神であるポセイドンを罰することはできなかったためメデューサのみを罰します。
アテーナーの処罰により、メデューサの美しい長髪は蛇となり、見る者を石化させてしまう恐ろしい怪物となってしまいました。しかし、メデューサが怪物に変えられた理由には諸説あり、メドゥーサは美貌を自慢して女神アテーナーと競ったため、その美しさを全て奪われ怪物の姿に変えられた、と言われることもあります。
◆二人の姉も怪物にされてしまう
メデューサが怪物に変えられたことを知った二人の姉ステンノーとエウリュアレーは、アテーナーに抗議をしに行きます。しかし、悲しいことに二人の姉も怪物に変えられてしまうのです。
怪物となった三姉妹は、髪の毛が無数の毒蛇で猪のような牙を生やし、青銅の腕と黄金の翼を持った似たような容姿になったと言われており、彼女らの目を見た者は石になってしまうという能力も共通していました。
このような見た目や能力を恐れて、美人であったはずの三姉妹は「恐ろしいもの」という意味を持つ「ゴルゴン」と名付けられたのです。
一方で、見た者を石に変える能力はゴルゴン三姉妹全員ではなく、メデューサのみが持っていたとも言われています。実際は、あまりの恐怖に「体が石のように動かなくなる」という意味でしたが、次第に「石そのものに変えられる」という話に変わってきたのでした。
また、ゴルゴン三姉妹は同じ容姿・能力を持っていたと言われていますが、ステンノーとエウリュアレーは不死身とされていましたが、メデューサは不死身ではありませんでした。そのため、最期はペルセウスという英雄に首を切り落とされ、命を落としてしまいます。

4.世界的ブランドのロゴとしても有名

世界的ブランドのロゴとしても有名

メデューサは、悲しい人生を送った女性でしたが、単に恐ろしい怪物というだけでなく、女神としても信仰されていた側面もありました。そのため、後世に語り継がれても愛着を持った人は数多くいます。
世界的ブランドで知られるVERSACE(ベルサーチ)の創業者ジャンニ・ベルサーチもその一人です。自身のブランドのロゴにメデューサが用いられています。
メドゥーサが表現しているのは、伝統と古典的雰囲気に対するベルサーチの愛着であり、「輝き・独創性・スタイルで観客を驚かせたい」という、強い思いからです。
美しかった女性が怪物の姿に変えられてしまい、首を切り落とされ人生の幕を閉じるという悲しい結末は、メデューサの人生だけに限らず「ギリシャ神話の悲しき怪物」としても語り継がれているのです。

5.まとめ

メデューサは美しい髪の持ち主だったと言われています。いにしえより、美しい髪は女性の象徴でもあり、その髪の毛を処罰により蛇にされてしまったことはこの上ない屈辱だったのではないでしょうか。
髪もさまざまな色があり、また加齢とともに白髪が増えてくることもあります。現代では、カラーやパーマなど自分の好きなスタイルを楽しむことができますが、美しい髪を維持するために、今一度、髪のケアを見つめ直してみてください。

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