鍼灸って薄毛に効果はあるの?東洋医学と髪の健康との関連を知ろう

  1. 薄毛予防・解決策

鍼灸(しんきゅう)は東洋医学の治療法の一種で、数千年にわたり中国や日本など東アジアを中心に病気治療や健康維持に活用されてきました。現代では、西洋医学の視点による研究も進み、鍼灸の治療効果は多方面で認められています。

ただ、薄毛や抜け毛といった髪の悩みに対して実際に鍼灸は有効な手段となり得るのでしょうか。

そこでこの記事では、鍼灸の基本知識に触れた上で、薄毛に対する具体的なアプローチを紹介します。薄毛対策の鍵を握る「頭皮環境の正常化」をもとに、伝統的治療法である鍼灸が現代人の薄毛問題にどこまで効果が期待できるか一緒に見ていきましょう。

 

1. 鍼灸とは何か?基本原理の解説


鍼灸(しんきゅう)とは、経穴(けいけつ:ツボ)と呼ばれる体にあるポイントに針(しん)を刺す「鍼(はり)」や、もぐさに火を着けて熱刺激を与える「灸」(きゅう)の技術を用いる伝統的な東洋医学の一種です。身体のバランスを整え、自然治癒力を高めるとされ、東アジアでは古来広く普及しています。

下記で、鍼灸の歴史的背景、東洋医学との関係、鍼と灸の基本原理について紹介します。

鍼灸の歴史と発展

鍼灸は、中国が起源とされる治療法で、紀元前から行われてきた伝統医学です。数千年の間、中国からアジア全域、そして現在では西洋諸国でも紹介されており、世界中へと広がり多様な文化で受け入れられてきました。

例えば、結核の患者数や死者数が社会問題になっているアフリカでは、イギリス人の鍼灸師がきっかけで灸を普及させるmoxafrica(モクサアフリカ)の活動が知られています。実際に、灸をデイリーケアとして活用し、感染症対策や市民の健康維持に役立っています。

歴史を通じて、鍼灸は多くの病気や症状の治療に用いられてきました。現代では特に手軽に取り組めるヘルスケアとして、健康増進やストレスマネジメントに活用されています。

東洋医学の漢方との違い

「風邪を引いたら葛根湯」と言われるように、日本では日常的に漢方薬が使われています。もともと、東洋医学は鍼灸治療と漢方薬を2本柱として成り立つ医学体系です。ただし、鍼灸と漢方、それぞれのアプローチには大きな違いがあります。

漢方は主に薬草を使用する治療法で、患者の体質や症状に併せて生薬を組み合わせて煎じ、内服します。

一方、鍼灸は針や温熱といった物理的な方法でツボを刺激し、全身のバランスの調整を重点に置いています。

現在、鍼灸と漢方は別々に使われるケースが一般的です。しかし、本来は漢方だけではカバーできない部分を鍼灸が担い、その逆もあるといったように、お互いの利点を上手く取り入れながら東洋医学の現場で活用されてきました。

鍼灸治療の基本原理とは

鍼灸の基本原理は、体内に流れる生命エネルギーである「気」の流れを正常化するアプローチです。東洋医学では、「気」の流れが滞ると体内のバランスが崩れ、病気や不調が生じると考えられています。そこで、鍼灸治療では経穴と呼ばれるツボに針を刺したり温熱を加えたりして「気」の流れを調整し、体のバランス回復を図っています。

鍼灸治療の具体的な効果としては、痛みの改善や免疫機能の強化、リラックス効果などが代表的です。

鍼灸は、長い歴史を通じて先人の経験の蓄積により体系化された医学です。ただ、現在では、東洋のみならず西洋の医学界においても世界中で研究され、実践されています。特に、アレルギーや不定愁訴など体質との関連性が指摘される病気治療において、現代医学との組み合わせて使用される場合も増えています。

特に薄毛や抜け毛など、従来の医療では対処が難しい健康問題に対する代替医療として期待が高まっているのです。

参照:鍼灸の基礎知識 – 公益社団法人 日本鍼灸師会
参照:日本伝統医療で途上国の健康支援を!|モクサアフリカ

2. 鍼灸が薄毛治療で使われる理由


東洋医学の独特なメカニズムにより、近年、鍼灸が薄毛治療に採用されるケースが増えています。血行促進、栄養供給の改善、身体の自然治癒力の活性化といった、髪の成長を促す上で欠かせない効果が期待されるためです。

下記で、鍼灸が薄毛に対してどのような効果が期待できるのか、理由3つを具体的に紹介します。

血行促進が期待できる

鍼灸治療は、ツボと呼ばれる体の各ポイントに針や温熱による刺激を加え、血行を促進します。髪の毛の成長に必要な酸素や栄養素をスムーズに送り届けるには、頭皮の血行を促進しより豊富に供給するサポートが重要です。頭皮の血流が改善されると、毛根の活性化を助け髪の成長サイクルを正常化する効果が期待できます。

また、血流を改善すると炎症を減少させる効果もあるので、結果として頭皮環境を健康に保ちます。

髪の栄養供給を改善できる

血行促進によって毛根により一段と栄養が行き渡ります。鍼灸によって血流が改善されると頭皮への栄養供給が盛んになり、健康な髪の成長のサポートが可能です。特に、髪の成長に必要不可欠なビタミンやミネラルなどの栄養素が効率良く毛根に届けられるプロセスを後押しします。

鍼灸効果が高まれば、髪の成長サイクルが健康的になり、髪はより太く、強く生えてきます。

ツボ刺激で自然治癒力を高める

鍼灸は、体表にあり場所によって健康効果が異なる経穴(ツボ)や、体内を流れるエネルギーの経路とされる経絡(けいらく)への刺激を通じて、体の自然治癒力の向上を目指す治療法です。具体的な効果として、ストレスの軽減、ホルモンバランスの調整、免疫機能の強化など、髪の成長に間接的に影響を及ぼす健康効果が期待できます。

特に、ストレスや生活習慣の乱れが薄毛や抜け毛の原因と考えられる場合、こうした根本的な原因を改善し、他の薄毛の治療効果を高める点でも鍼灸が用いられています。

参照:人に相談しにくい薄毛・抜け毛の悩み・・・鍼灸が解決!?|医療のお仕事辞典
参照:脱毛症 Q18 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)

3. 鍼灸治療の具体的な方法とは


薄毛対策において、どのような鍼灸によるアプローチが行われているのでしょうか。鍼灸により髪の健康を高めるには、施術ポイントやツボを知り、治療期間と回数も併せて考える必要があります。

薄毛に対する鍼灸の施術ポイント

薄毛治療の場合、鍼灸では頭皮の血行を促進し、毛乳頭細胞の活性化を図るためのアプローチが行われます。ただ、具体的な施術ポイントは頭皮だけでなく、全身のバランスとエネルギーを整える複数のツボを組み合わせて刺激するケースが大半です。頭皮のツボに加え、全身にある身体の血行促進やホルモンバランスに影響を及ぼすツボもまとめて施術されます。

具体的な施術例を挙げると、百会(ひゃくえ)や風池(ふうち)といった頭皮近くのツボに加え、身体の血行を促進し、ホルモンバランスを整える効果が期待できる膝の下方の足の三里(あしのさんり)や足首の内側にある三陰交(さんいんこう)など、全身のツボがよく使われます。

薄毛に効果的なツボ

薄毛治療で特によく使われる効果的なツボは下記の3つです。

・百会(ひゃくえ)

頭頂部の中央に位置し、全身の気を調整するとされています。

・風池(ふうち)

首の後ろ、髪の生え際近く左右にあり、頭皮の血行促進に効果的です。

・足の三里(あしのさんり)

両膝の下、外側に位置するツボで、全身のエネルギーの流れを改善し、栄養素の吸収・運搬を促します。

治療期間と回数の目安は?

薄毛治療での鍼灸の効果には個人差がありますが、定期的な施術が基本です。

最初は週に1〜2回の施術を数ヶ月間受け、その後は必要に応じて半月に1度、月に1回など施術の間隔を調整します。

効果を実感するまでには最低でも3〜6ヶ月は必要といわれています。薄毛の原因や体質、生活習慣などによって異なるため、気長に取り組む意識が大切です。

ただし、鍼灸治療は薄毛の改善だけでなく、ストレスの軽減や健康維持にもプラス効果が期待でき、治療を受け続けると体調改善につながるケースが多いです。

なお、原則として鍼灸治療ははり師やきゅう師の国家資格を持った専門家のみ治療が許されています。

参照:薄毛におすすめの頭皮マッサージのやり方|リアップヘアケアコンテンツ|大正製薬

4. 薄毛対策のためのツボを使ったセルフケア方法


薄毛対策として鍼灸治療のメカニズムを自宅で気軽に取り組むには、ツボを使ったセルフケアがおすすめです。指で押したり、灸を据えるといったやり方なら毎日の健康習慣に取り入れやすく副作用のリスクも少ないため、多くの方におすすめできます。

下記で、薄毛改善に役立つツボとその刺激方法を紹介します。

薄毛対策に効果的なツボ4つ

  1. 百会(ひゃくえ)

・位置

頭の頂点、両耳の上端を結んだ線の中心点にあります。

・刺激方法

指の腹で優しく圧を加えながら、ゆっくりと円を描くようにマッサージします。力の入れすぎに注意しながら、1〜2分間行いましょう。

  1. 風池(ふうち)

・位置

首の後ろ、髪の生え際のすぐ下、後頭部の下側にあるくぼみの部分です。

・刺激方法

両手の親指を使って優しく上方に押圧します。同時に、他の指で首を支えながら、ゆっくりと圧を加えるとより効果的です。1〜2分間続けてください。

  1. 足の三里(あしのさんり)

・位置

膝頭の下方4横指(約3インチ)、脛(すね)の骨の前の外側にあり、押すと響く場所です。

・刺激方法

両手の指を使ってツボを強めに押し、小さな円を描くようにゆっくりとマッサージします。片足ずつ1〜2分間行いましょう。

  1. 血海(けっかい)

・位置

膝の内側、膝頭の端から指4本分上にあり、やや窪んだ部分です。

・刺激方法

優しく圧を入れながら、ゆっくりとマッサージします。片側につき1〜2分間行います。

セルフケアの際の注意点

セルフケアでツボを刺激する際は、痛みを感じない程度に力の加減をしてください。痛みを感じる程の力で刺激するとかえって逆効果となる場合があるので気をつけましょう。痛みを感じる場合は力を弱めるか、刺激する回数を減らしてください。

また、ツボの位置がよくわからない場合は、窪んでいたり、押すと痛みが走ったりするところを参考にしましょう。ただ、正確なツボの位置を確かめるには鍼灸師などの専門家に相談してください。

そして、ツボ刺激は継続して取り組むと、効果を実感しやすくなります。毎日、決まった時間に数分程度から取り組むよう心がけましょう。

関連記事はこちら▼
スカルプケアで大切な頭皮マッサージについて!具体的な方法を徹底解説

参照:坂元大海・原島広至『ツボ単―経穴取穴法・経穴名由来解説・〔ユ〕穴単語集』|NTS

5. まとめ


薄毛対策として鍼灸によるアプローチが広く行われています。ツボに針や温熱の刺激を加えるというシンプルな方法ですが、血行促進やリラクゼーション効果により薄毛の改善をサポートできる可能性があるので、日々のセルフケアに取り入れてみましょう。

ただし、頭皮の血行促進による薄毛の改善・予防には、頭皮ケアも非常に重要です。

例えば、綺和美のヘアケア製品シリーズのようなスカルプシャンプーを使うと天然由来成分による優しい洗い心地で頭皮の健康を維持し、薄毛の進行を防ぐ働きが期待できます。スカルプシャンプーやスカルプトリートメントは、頭皮を清潔に保って水分と油分のバランスを維持でき、髪の健康な成長をサポートします。

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