ヘアオイルの歴史を紐解く。髪油の起源は江戸時代にあり?アウトバストリートメントも

  1. 白髪の予防・改善方法

今では誰もが毎日つけるのが当たり前になってきたヘアオイルですが、一体いつから髪の毛にヘアオイルをつける習慣ができたのでしょうか。アウトバストリートメントというものが発売されはじめたのも、2000年前後からでそこから徐々に定着してきたと言われています。

しかし、ヘアオイルや髪油などの歴史は実はもっと昔から使われていたものも多く存在するのです。

そこで今回は、普段何気なく使っているヘアオイルの歴史から髪油の起源について詳しくご紹介させていただきます。

 

1.ヘアオイルとは?

ヘアオイルとは髪の毛に潤いを与えてくれ紫外線、乾燥、熱などのダメージから髪の毛を保護してくれる効果のあるオイルです。オイルの種類は「植物性」「動物性」「鉱物性」とありそれぞれ効果や特徴が異なりますが、それを髪の毛につけるように調整されたものをヘアオイルと呼ぶことがほとんどです。

髪の毛の補修効果が期待できたり、頭皮ケアやスタイリング剤としても使われているので美髪へのケアにも欠かすことのできないアイテムになっています。

  • 植物性オイル (補修力が高くまとまりをよくする)
  • 動物性オイル (浸透性が高く補修効果も高い)
  • 鉱物性オイル (重ためで保湿力がとても高いので長時間潤う)

このような特徴があるので、髪質に合わせて適切なヘアオイルを選んであげるとより効果を実感できます。

次のページでヘアオイル選びのポイントを説明しますので、ご覧ください。

髪油(ヘアオイル)の選び方。ニオイと手触りとコスパで選びましょう

2.ヘアオイルを使うことで得られる効果

ヘアオイルを使うことで得られる効果も合わせてご紹介させていただきます。

毛髪補修力

ヘアオイルを使う目的として一番メジャーなのが、やはり髪の毛の補修効果です。洗髪後の濡れている状態の髪の毛は、無防備でキューティクルが開いてしまっている状態になります。その状態の時にアウトバストリートメントとしてヘアオイルを馴染ませてあげると、浸透性を高めることができダメージを受けてしまった髪の毛の内部まで補修する効果が期待できるのです。

ツヤ・潤いのチャージ

髪の毛はダメージや乾燥がひどくなってしまうと、パサつきや枝毛などが目立ってしまいます。そのままでは見栄えも悪く髪の毛の潤いもどんどんなくなっていってしまうのです。

そこでヘアオイルで髪の毛を保護してあげると、ダメージや乾燥部分に水分や油分をチャージすることができ、潤いを取り戻せます。広がりやうねりを抑える効果もあるため、ヘアセットのベースを作る際にも活用できます。

摩擦の軽減・外的刺激からの保護

髪の毛は摩擦による擦れや、ドライヤーやアイロンからの熱、紫外線など様々な要因でダメージを受けてしまいやすい部分です。事前にヘアオイルをつけて髪の毛1本1本をコーティングしておいてあげると、摩擦が軽減され水分の蒸発からも髪の毛を保護してくれるので、熱など外的要因のダメージも防ぐ効果が期待できるのです。

スタイリング剤としてまとまりや質感調整

ヘアオイルはヘアケアだけではなく、ヘアセットの時に髪の毛のまとまりをよくしたり、毛先にウエット感を出したりと質感の調整をすることができます。キープ力はそこまで期待できませんが、まとめ髪や束感を演出でき固まらないので扱いやすくヘアセット初心者にも人気があります。

頭皮のヘアケア・保護

頭皮はお肌と同様に皮脂と水分のバランスが崩れてしまうと、皮脂が過剰に分泌してしまったり、逆に乾燥でフケがでてしまったりと頭皮環境が乱れてしまいます。かゆみや炎症の原因にも繋がるので、普段からヘアオイルでケアしながら皮脂バランスを整えてあげることで予防することもできるのです。

ヘアフレグランス効果

ヘアオイルは様々なオイルが配合されていたり、香料を配合しているものも多く発売されておりお好みの香りのオイルを選ぶこともできます。香水まではいかなくてもふわりとさり気なく香ってくれるタイプのものが、主流なので日常生活に取り入れやすいのもポイントです。

香水のような香りから、天然のオイルの香りまで幅広く選ぶことができるので自分好みの香りが探しやすくなります。

使い方によってヘアオイルの効果は変わります。効果的な使い方を以下でチェックしましょう。

ヘアオイルはドライヤーの前と後どちらでつけるのが正解?効果的な使い方もご紹介

3.ヘアオイルの歴史

ヘアオイルは、古代エジプトの時代から使われていたとされています。エジプト人は「アルガンオイル」「オリーブオイル」「アボカドオイル」などの自然由来のオイルを髪の毛に使うようになりました。

この習慣は中東やアフリカ大陸に広がり、乾燥地帯のモロッコで取れるアルガンオイルは特に保湿力や補修力に優れており有名なオイルだったようです。古代エジプトの女王クレオパトラもよく使用されており、なめらかな髪の毛を維持していたとされています。

19世紀に入りヘアオイルがヨーロッパの美容業界で人気となり、天然由来のオイルを髪の毛用に改良した合成オイルも多く使われるようになっていきました。20世紀には様々な種類のヘアオイルが市販で売られるようになり、保湿や修復などのダメージケアやスタイリングとして取り入れられるようになっていったのです。

4.日本の髪油の歴史は?

日本の髪油の歴史は、奈良時代まで遡り当時の貴族たちは植物油を髪の毛や肌にぬって保湿をして美しさを保っていました。特に梓の木から採取される種子油は高品質の植物油として重宝されていたのです。

日本では髪の毛の美しさが女性のたしなみでもあり、黒くて美しい長い髪の毛が良いとされてきました。その美しさを保つために髪油は使用されてきたのです。

江戸時代には髷を結ったりまとまりをよくするために「椿油」「胡桃油」「枸杞油」「胡麻油」様々な髪油を使うようになっていきました。このような油は「水油」と呼ばれており、艶出しや髪の毛の保護として使われていたのです。貴族などの身分が高い人々は「胡桃油」を使い、その他の人々は「胡麻油」を使うことが多かったとされています。

その後、「伽羅油」といい蝋燭の流れたものを油で溶き松油や香油などを混ぜ合わせて固形の油も作られるようになっていきました。この「伽羅油」は今で言う髪付け油のはじまりとされています。

自分で配合して作ることが大多数で、主に男性のヒゲに使用していました。その後男性の髪を結う際に使われ始め、貝殻につめて高級品として売られるようになっていったのです。その使い勝手の良さから後々、遊女の髪結いにも使われていき愛用されるように広まっていきました。

一般の女性にも浸透していき男女共に、生活の中でなくてはならないものになっていったのです。今現在でも力士や舞妓さんなどが「鬢付け油」として取り入れているのです。

大相撲クイズ No.386

力士の髷を結うときに使う油を何と言うでしょうか?

出典:大相撲クイズ – 日本相撲協会公式サイト

明治時代に入ると欧風文化が普及しはじめ、不衛生で不便とされてしまい「伽羅油」の使用を避け、洗髪後は水油で整えて簡単に束髪にするように変化していきました。

5.江戸時代に使われていた油の種類

昔に使われていた油の種類についても少しみていきます。

杏油(あんず)

杏油は杏の種子の仁から抽出される油脂となります。仁の油含量は40〜50%で皮膚をやわらかくする効果も持ち合わせているのです。髪の毛から身体や爪にも幅広く使用することのできるオイルなのです。

椿油(つばき)

椿油は椿の種から絞り出された天然の植物性油となります。1000年以上前から髪の毛のお手入れに使われており、お肌や食用としても重宝されてきたのです。85%のオレイン酸でできているため、健康効果も高いとされています。

オレイン酸は不乾性のため空気に触れても参加しにくく扱いしやすいのも特徴です。オレイン酸を豊富に含んでいることから髪の毛や肌への浸透性も高く、美容にも高い効果が期待できるとされています。

胡桃油(くるみ)

胡桃油は胡桃の実から抽出される植物性油となります。胡桃の含油量は65〜70%もあり、樹木油の中でも含油量が高いのが特徴です。胡桃には脂肪酸のリノール酸が多く含まれており、抗炎症作用や老化防止やバリア機能向上の効果が期待できるので肌に使用されることも多い油です。

胡麻油(ごま)

胡麻油は胡麻の種子から抽出される植物性油となります。必須脂肪酸や抗酸化物質を豊富に含んでおり、髪の毛にも有益な油でもあるのです。またビタミンB、ビタミンE、カルシウム、リン、タンパク質、マグネシウムなどのミネラルも豊富で、髪の毛そのものを健やかに育てる効果も得ることができます。

松脂(まつ)

松脂は松の木から分泌される天然樹脂となります。幹の表面に刃物で傷をつけそこから出てきたものを採取していくのです。採取から時間が経つと粘り気が増し、それを精製すると合成ゴムや香料、粘着剤など様々なものに用いられている樹脂で、日本では髪油の原料としても広く使われていました。

伽羅油(きゃら)

伽羅油は鬢付け油の一種で、蝋燭の溶けたものに松脂を混ぜて作った固練りの油となります。伽羅油という言葉は上質の製品というイメージを出すための商品名として使われていました。

6.江戸時代のヘアケア事情

今では毎日お風呂へ入り洗髪することは当たり前ですが、昔の日本では髪を洗う習慣はまだ定着しておらず、身体や髪を洗い清めることは神道など宗教的な儀式として行われていたのです。

身体や髪の毛を洗い清潔に整える習慣が一般庶民にも浸透していったのは、江戸時代に入ってからといわれています。江戸時代の女性のヘアスタイルは長い髪の毛を結い上げたいわゆる日本髪で、一般庶民でも月に1〜2回程度洗髪するように身近なものになっていきました。

家の縁側などで金盥に水をためてクシで髪の毛をときながら洗っていたようです。今のようにシャンプーはなかったのでわりに「ふのり」と「うどん粉」を使っていたとされています。シャンプーとかけ離れているので想像しにくいのですが、当時にとっては画期的なアイテムだったのです。

使い方はふのりを熱いお湯につけ、その中にうどん粉を入れかき混ぜてから熱いうちに髪の毛へこすりつけ、髪の毛によく揉み込めば髪の毛についた油がキレイに取れるそうです。最後に熱いお湯ですすいで水で洗えば匂いの消し去ることができツヤも得られるとされていたのです。

長い髪の毛に鬢付け油をつけて仕上げていた日本髪を維持しながらケアしていくのはとても手間も時間もかかり大変なはずです。そう思うと今の現代の進化したヘアケアが、いかにありがたいものかわかります。

7.まとめ

今では当たり前のように使っているヘアオイルですが、外国でも日本でも様々な歴史を持っています。たくさんの種類のオイルの中から用途に合わせて改良を重ねながら、それぞれより効果的な使い方を模索して今に至るのです。

日本髪のようにキッチリ固めてまとめるのに適した髪油や、ヘアケアとして保湿力が高く愛用されていた髪油のようにその時代にあったヘアスタイルやヘアケアの方法に合わせた髪油がルーツとなり、今の私達のヘアケアにも大きく生かされているのではないでしょうか。

普段ヘアケアをしているだけでは、なかなかヘアオイルの歴史を気にすることは少ないかもしれませんが、少し調べてみるだけでも今の現代のヘアケアの土台やコスメ全般の歴史がわかり面白いかもしれません。

時間があるときにでも是非ヘアオイルの歴史を遡ってみてください。

古くからヘアケアに使われてきたヘアオイル効果を、現代生活にフィットするようメーカーにより研究開発されたのが、綺和美のヘアケア製品「RootVanish」です。

天然成分で頭皮や髪への刺激も非常にマイルドだから、思ったような効果が期待できる人気のヘアケアアイテムなので、ぜひ一度チェックしてみてください。

美髪へと導く4つのステップ美髪へと導く4つのステップ

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白髪と上手く付き合いたい佐藤

毛髪診断士。佐藤は白髪染めシャンプー、コンディショナー、トリートメント&白髪ケアブラシを取り扱うブランド綺和美(スリーエム株式会社)の社員をしております。自身も少し白髪が気になってきた世代です。髪について発信しながら、白髪ケアを中心とした髪について研究中。みなさんの髪にまつわるお悩みをヘアケアメーカー社員として解決していきます。

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