白髪染めがツンとしたニオイがする理由は? どうしてもニオイが嫌なら解決法があります

  1. 白髪染め

白髪染めやカラーリングをする際に、「ツンッ」としたイヤなニオイを感じることはないでしょうか。

シャンプー台で流す時…
カラーの放置タイム中に…
ラップを外した瞬間…

毎回カラーのときはガマンするけれど、ふとした時ににおってくるあのニオイが苦手な方は、実は多いのです。

そこで今回はあの「ツンッ」としたニオイは何なのか、白髪染めについてからニオイが苦手な方への対象法まで詳しくご紹介していきますので是非最後までご覧ください。

1.白髪染めの仕組み

カラー剤は酸化染料とアルカリ剤を配合した1剤と、酸化剤を配合した2剤を組み合わせることで力を発揮して染めていくことができます。

1剤は酸化染料(ジアミン)とアルカリ剤(アンモニア)、2剤は酸化剤(過酸化水素)が使われています。アルカリ剤は髪の毛の表面を覆っているキューティクルを開かせる作用があり、そこから染料を髪の毛の内部に浸透させていきます。

酸化剤は過酸化水素を分解して酸素を発生させてその酸素が、メラニン色素を分解して脱色していき、酸化染料の分子を結合させて発色します。

酸化染料は酸素に触れる前は無色で酸化反応するので酸化染料と呼ばれています。酸化染料の分子は引き寄せ合い、はじめの分子よりも大きくなるのでキューティクルから染料が流出しにくくなり色味が定着する仕組みになっています。

1.1剤と2剤を混ぜ合わせて塗布していきます。

2.アルカリの力でキューティクルを開かせて薬剤を内部に浸透させていきます。

3.酸化剤とアルカリ剤が反応した酸素がメラニン色素を分解して酸化染料が発色します。

4.酸化染料の分子が引き合い大きくなるのでキューティクルの内部にしっかりとどまるので髪の毛の内部に色味が定着します。

白髪染めも通常のカラーも仕組みについてはこのように同じなのですが、少しだけ特徴がことなっています。通常のヘアカラーよりも白髪染めは染毛力が高くブリーチ力が抑えめな事が多いのです。髪の毛を明るくすることよりも白い白髪にしっかりと色をつける染毛力に特化しているのがわかります。

逆に通常のヘアカラーは明るくする幅も広くブリーチなしでも14トーン位まであげる力がありその分、染毛力が白髪染めよりも劣る仕組みになっています。

どちらも目的に合わせた仕組みとなっていることがおわかりいただけるかと思います。

2.ツンとしたニオイの正体は

ツンとしたニオイの正体は

仕組みがわかったところでどうして「ツンッ」としたニオイがするのでしょうか。そのニオイの正体は、実は「アンモニア」なのです。カラー剤の1剤のアルカリ剤に含まれているアンモニアがこの元凶なのです。

カラーの仕組みでもご紹介したように、アンモニアはキューティクルを開かせて、カラーを浸透させていく力があります。

髪の毛にカラー剤を塗布してしばらくすると、髪の毛の内部でアンモニアの作用が終わり、自然と髪の毛の中から空気中に抜けていきます。このタイミングで薬剤特有の「ツンッ」としたニオイを発してしまうのです。

アルカリ剤は髪の毛の内部に残留すると、キューティクルが閉じきらずカラーの退色に繋がたり、ダメージの元にもなってしまうので内部にとどまらずに外に出ていく仕組みになっているのです。

カラー剤選ぶ際の注意点

最近では市販のカラー剤でニオイが控えめのものも増えてきています。美容室のように換気がされていて広い空間では気にならなくても、自宅では換気しずらくスペースが狭くなる傾向にあるために考えられているのです。

しかし誰が使っても簡単に染められるように作られている市販のカラー剤は、美容室で使用する薬剤よりも濃度の高いアルカリ剤が配合されています。そんな濃度の高いアルカリ剤が髪の内部にとどまってしまったら髪の毛へのダメージも計り知れません。

市販で選ぶ際はなるべく避けていただき、ご注意ください。

3.ニオイを消す方法

ニオイを消す方法

揮発性の高いアンモニアでも髪の毛の内部にとどまる量を完全にゼロにすることはできません。そのためカラー後の髪の毛からまだニオイがしたりしてしまうのです。

カラー後の髪の毛は髪の毛の内部、表面、頭皮などに薬剤が残留してしまっている状態にあります。この薬剤が残ってしまっているとニオイが残ってしまうのです。

ニオイの原因のアルカリ剤の成分はヘアカラーをしていくためには必要不可欠の成分です。これがないとキューティクルを開かせたり、髪の毛の内部に色素をとどめておくこともできないのです。

残留してしまったアルカリは毎日のシャンプーで少しづつは落ちて行くのですが効果が緩やかなため、しっかりと対策してあげることが好ましいのです。

まずはヘアカラーの後は髪の毛の内部、表面、頭皮に薬剤が残留していてこれを除去してあげなくてはなりません。そこで除去するために必要なのは「乳化」です。

乳化はお湯でも行えますが、ニオイを消すのに最も効果的なのがバッファー処理を合わせてしてあげるといいです。

ツンとしたニオイを消すステップ

1.シャンプーをする前に洗面器にたっぷりと人肌程度のお湯をためておきます。
(この時にPH5位のバッファー剤を混ぜておきます。そうするとアルカリと中和されて落としやすくなります。)

2.髪の毛全体にすくってかけていきます。頭皮をくるくる馴染ませるようにお湯をしっかりと行き渡らせていきます。お湯を足しながら5〜10分くり返していきます。

3.そのあと全体を流してから炭酸シャンプーを使用して洗ってください。

この手順を守ってあげると残留アルカリはほとんど除去してあげることができます。乳化によって薬剤を落としやすくすることができるのです。

ニオイが乳化で消える理由

元々、水と油は混ざり合うことができません。そこで界面活性剤を使用して乳化することによって水と油を流してあげられます。

ヘアカラーの薬剤には界面活性剤が配合されているので水を馴染ませることで乳化することができるのです。次の工程の炭酸シャンプーでアルカリに傾いた髪の毛を中和して弱酸性に戻してあげて完了になります。

炭酸シャンプーを使用することによって髪の毛の表面のキューティクルは閉じてしまうのですが、この時にアルカリ剤の除去が不十分だとニオイがこもってしまいイヤなニオイのもとになってしまいます。

なので炭酸シャンプーを使用する前には必ず、バッファーでしっかりとアルカリ除去してからシャンプーするように気をつけてください。

4.ニオイがどうしても苦手な方には…

ニオイがどうしても苦手な方には…

カラーの際にどうしても「ツンッ」としたニオイが苦手でカラー剤がつらい方はカラーの仕方を変えてみるのもいいかもしれません。オススメのカラーをご紹介していきます。

ヘアマニキュア

ヘアマニキュアは酸性カラーと呼ばれていて、髪の毛1本1本にフィルムでコーティングするようなイメージで色をつけていく方法になります。髪の毛の内部に作用するものではないのでダメージはほとんどありません。

カラーの色素展開は豊富ですが、ベースが黒髪ですと発色しないので白髪の割合が多い方や地毛に合わせて白髪を染める方にオススメの施術になります。

ヘアマニュキュアも薬剤自体のニオイはありますが「ツンッ」としたイヤなニオイではないので大丈夫な方も多いはずです。

時間がたってヘアマニュキュアが少しずつ剥がれてくると、髪の毛の手触りがザラザラした感じになります。剥がれきってしまう前に染め直して色を重ねてあげることで手触りも復活していきます。

ヘアマニキュアは地肌についてしまうと落ちなくなってしまうため、根本から少しスペースをあけて塗布していかなくてはならないのでキッチリ根本から染めることができないのが欠点になります。

ヘナ

ヘナは100%植物成分でできているカラー剤となるのでこちらも髪の毛に負担が少ないものです。ヘアカラー同様に根本からしっかりと染めることができるのでアレルギーの方にもオススメです。

ヘナ独特なニオイはしますが植物の香りなので気になりにくいはずです。

色味の選択肢が少なくヘナ特有のオレンジ味の強い色になりやすいのでしっかりカウンセリングにて選ぶことをオススメします。

カラーの色味がある程度選べるタイプのヘナは、ジアミンなどの科学染料が配合されているケミカルヘナの可能性がありますが、アレルギーなどがない場合は色味の調整が効きやすいケミカルヘナを選んでみても良いかもしれません。

ヘナは天然の成分だからアレルギーを起こしにくいと思われがちですがそれは間違いで、天然のものでもアレルギー反応を起こしてしまう方もいらっしゃいます。

心配な方は前もってパッチテストを受けてから染めるのもオススメです。

カラートリートメントorカラーシャンプー

カラーシャンプーもカラートリートメントもどちらもお風呂で洗髪の時に手軽に取り入れることができるのが特徴です。

カラーシャンプーもカラートリートメントも成分に染料が含まれていて、シャンプーで洗いながらやトリートメントで補修しながら色味を入れてあげることができるので髪の毛にもダメージがありません。
カラーシャンプーとカラートリートメントではカラーシャンプーの方が少し染まりがうすくなる傾向があり、どちらも一発でしっかり染まるわけではなく何回か回数を重ねることによって色味が濃くなっていきます。

カラーシャンプーの場合は5〜10回、カラートリートメントでは3〜6回位は連続で使用してあげることで発色がよくなっていきます。色がある程度定着したら週に1〜2回の使用できれいな状態をキープできるようになっていくのです。

カラーシャンプーやカラートリートメントをしたあと少し放置時間を取らなくてはならず、手軽にはできるのですが時間に余裕が必要なのが欠点です。湯船につかったりと上手に時間を使いながら取り入れてみてください。

カラー剤のジアミンが使えなかったり、肌が弱い方にもオススメできる方法です。ニオイもシャンプーやトリートメントなのでいい香りの物が多いので是非好みのモノを探してみてください。

白髪隠し(マスカラタイプ、パウダータイプ)

白髪が生えている部分が限定的な方にオススメなのが、ピンポイントでカバーできるマスカラタイプやパウダータイプの白髪隠しです。

染めるわけではないので毎日使用しなくてはなりませんが、朝お出かけ前にさっとカバーできるので生え際や分け目など気になる部分をしっかりとカバーできてニオイもきになりません。

どちらもポーチに入るサイズなので、出先でも手軽につかえるのもポイントです。

5.まとめ

気になる白髪の対策の為に染めているヘアカラー、キレイにみせたいのにイヤなニオイに耐えるのもつらいですよね。ニオイの原因は決して悪いものではなくて、むしろ髪の毛の負担を軽減させてあげるためには必要な仕組みでした。

美しく染めたい。ただしニオイも嫌だ。という方には白髪染めのシャンプーとトリートメントが一番です。綺和美では美しく丁寧に染まる、心まで癒やされるヘアケア製品として、Root Vanishをオススメしています。シャンプーとトリートメントでぜひ綺麗に染めて下さいね。

美髪へと導く4つのステップ美髪へと導く4つのステップ

step01
ヘアカラーシャンプー
洗いながら染める

ヘアカラーシャンプー

毎日シャンプーするたび、自然に白髪が染まり、使うほどに髪にツヤと潤いを与えます。

カラーサンプル
step02
カラートリートメント
しっかり染める

カラートリートメント

高いトリートメント効果で髪と頭皮をしっかりとケアしながら、白髪を染めます。

カラーサンプル
step03
コンディショナー
カラーをキープする

コンディショナー

傷ついた髪もしっかり補修、髪にハリ・コシ・ツヤを与えます。カラーの持ちを良くし、白髪を黒髪へと導く効果も期待できます。

step04
カラーリングブラシ
さっと隠す

カラーリングブラシ

外出先やお出かけ前に、気になる部分にサッとひと塗りするだけで、簡単に白髪を隠せます。

カラーサンプル
白髪と上手く付き合いたい佐藤

毛髪診断士。佐藤は白髪染めシャンプー、コンディショナー、トリートメント&白髪ケアブラシを取り扱うブランド綺和美(スリーエム株式会社)の社員をしております。自身も少し白髪が気になってきた世代です。髪について発信しながら、白髪ケアを中心とした髪について研究中。みなさんの髪にまつわるお悩みをヘアケアメーカー社員として解決していきます。

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