ストーリー

One Life, One Thought
Vol. 74

メリンダ・ゲイツ

人生という勉強の旅で財団の事業は私たち2人の所へやってきたものです

2017/12/07

ビル・ゲイツの妻であるメリンダ・ゲイツは、世界最大の慈善基金財団ビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同会長として、世界中の貧困層の子供たちや女性の幸せを向上の支援のため、ナイジェリアのような発展途上国へ現地視察に行くため世界中を飛び回っています。

一般的には「夫と働くなんて絶対にうまくいかない」と女性たちは思うものですが、二人を中心に運営している財団はメリンダが、「人生という勉強の旅で財団の事業は私たち2人の所へやってきたものです」と述べているほど、二人にとってかけがえのないものです。

夫婦だからといって、同じ職場で楽しく働けるとは限らない

↑夫婦だからといって、同じ職場で楽しく働けるとは限らない(リンク

ビル&メリンダ・ゲイツ財団において、ビル・ゲイツがメリンダの活動を尊重しているだけではなく、メリンダ自身もビル・ゲイツの妻だからと控えめに行動することはありません。

データと統計をもとに判断するのを好むビル・ゲイツと、直感をもとに行動をするメリンダは、お互いに海外出張から戻ったときには、コミュニケーションを取るためだけではなく、財団をより良い方向に導くため現場で感じたことを二人で議論する時間を持つようにしているのだそうです

海外で体験してきたことをお互いシェアし合い、夫婦のコミュニケーションを取ることで、絆が深まる

↑海外で体験してきたことをお互いシェアし合い、夫婦のコミュニケーションを取ることで、絆が深まる(リンク

幼い頃、航空機エンジニアとして働いていた父親から「最も尊敬する同僚の一人だよ」と、同僚の女性エンジニアを紹介されたメリンダは、女性の社会への貢献度や重要性は男性に負けていないと感じました。

メリンダが就職して実家を出る時には「良い教育を受けさせたけど、あなたがすぐに結婚して子どもを産むことになっても私たちは構わない」という言葉をかけてくれた両親のことを、メリンダは次のように述べています

「両親は自分が一番幸せだと思うような選択をしてほしかったのです。その選択は何なのかを決断することは自由でした。本当に素晴らしいことです。」

自分が一番幸せだと思う道を歩むことが両親にとって一番幸せ

↑自分が一番幸せだと思う道を歩むことが両親にとって一番幸せ(リンク

キャリアを積んで社会で活躍したいと考えたメリンダは、コンピュータサイエンスと経営学の学士を取得して、マイクロソフト社に入社すると、たちまち頭角を現し、当時最年少女性役員に抜擢されました

そして今、大富豪であるビル・ゲイツの妻ということも、自分は女性だからということも言い訳にせず、「人生をかけて財団に尽くしている」というほど情熱的に財団を引っ張っているメリンダがいるからこそ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、投資家のウォーレン・バフェットを始めとする多くの人から活動支援を受けることができていると言っても過言ではありません。(1)

「人生をかけて財団に尽くしている」という情熱は、女性だからという壁を取り払う

↑「人生をかけて財団に尽くしている」という情熱は、女性だからという壁を取り払う(リンク

女性が社会に影響力を持ち強く生きていくことに関して、Facebookの最高執行責任者であるシェリル・サンドバーグ氏は、「もっと多くの女性が思い切って二歩も三歩も踏み出せば、現在の力関係に変化をもたらし、多くの人に道が拓けるだろう」と言いました。(2)

リーダーとしての女性の活躍は目ざましく、APECが主催のウィメンズ・アントレプレナーシップ・サミットによると、現在、世界には約2億人を超える女性起業家がおり、その経済規模は1,000兆円を超えると言われていますし、これからますます女性の社会的な存在意義が証明されていくでしょう。(3)

約2億人を超える女性起業家がおり、その経済規模は1,000兆円を超える

↑約2億人を超える女性起業家がおり、その経済規模は1,000兆円を超える(リンク

女性は結婚をしていないときから未来の夫の事を考え、生まれてもいない子供のための時間を確保しようとするために社会における自分への期待値を低く設定してしまいます。

しかしながら、女性のそうした性質を家庭から社会的な活動に広げてみれば、女性は堅実で、変な見栄を張らないということができるのではないでしょうか。

実際、アメリカのある統計によるとリーマンショックで倒産した企業のほとんどは男性がリーダーである一方で、女性がリーダーの企業はかなりの数が生き残ることができたそうです。(4)

男性に比べて、女性のほうが堅実でいざという時に生き残る

↑男性に比べて、女性のほうが堅実でいざという時に生き残る(リンク

メリンダはまた、両親から受けた教育によって「コンピュータサイエンスの道を選択できただけではなく、女性と女の子の立場や意見を守るということはどういうことかも学びました」とも語りました

世界中のほとんどの国で子育てを中心に行っているのは女性であり、文字を読み書きできる母親は、子供に予防接種を受けさせる可能性がそうでない場合と比べて50パーセント高いと言われていますが、世界で教育を受けることができない人の3分の2は女性なのです

ナイジェリアのある農村では、女性が学校で学ぶことのできる平均年数は2.6年と非常に短いのが現実で、女性が教育を受けることへの理解はまだまだ低いと言わざるを得ません。

世界中のほとんどの国で子育てを中心に行っているのは女性だが、まだまだ立場が理解されているとは言い難い

↑世界中のほとんどの国で子育てを中心に行っているのは女性だが、まだまだ立場が理解されているとは言い難い(リンク

メリンダが夫と仕事をすることに対して、「二人で協力関係を築いて楽しくやっている」と述べていますが、結婚した男女の3人に1人は離婚しているそうですから、仕事であっても家庭であっても良い結果を生み出すには、男女であることの前に、お互いを人として理解して尊重しあうことが不可欠なのでしょう。

そして、女性は女性であることに固執せず、自分自身を最大限活かせることは何なのかを考え、それを優先して生きていくことが、自分自身の人生をより良いものにしていくのです。

参考書籍
1. CNN編集部「家族計画で途上国女性を支援 メリンダ・ゲイツ」(朝日出版社、2016)Kindle 209
シェリル・サンドバーグ 「LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」(日本経済新聞出版社、2013) Kindle 190
2. 横田響子「女性社長が日本を救う!」(マガジンハウス、2011) Kindle 1490
3. 横田響子 「女性社長が日本を救う!」(マガジンハウス、2011) Kindle 1498