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Essence for your beautiful life
2017/05/16

©国立西洋美術館

朝の美術館で、ただひとり
心を静かにときほぐす

特に予定のない日の朝は、家でのんびり過ごしたいところ。でも、ときには発想を変えて、外に出てひとりの時間を充実させてみませんか? たとえば、とびっきりのオシャレに身を包み、背筋を伸ばして、刺激と安らぎをくれる美術館に足を運んでみるのはいかがでしょう。朝の美術館は、心地よく、私たちを非日常へと誘ってくれます。

20世紀を代表する建築家のひとり、ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館の本館2階展示室は、訪れるだけで心の緊張がときほぐれるスペース。黒みを帯びた飴色の床と柔らかな照明の室内に身を置くと、それだけで心がとろけてしまいそう。

だんだん気持ちがリラックスするという、不思議

そして、自分のペースでゆっくりと、数々の西洋画を鑑賞しながら歩みを進めると、今度は、大きなガラス窓の外に広がる、燦々と輝く緑が目に飛び込んできます。日常ではじっくり見る機会のない絵や木々の緑を、一定の距離をもって眺めていると、だんだんと気持ちがリラックスしていくから不思議です。

そうして順路を進み、最後に私たちを待っていてくれるのは、印象派の画家、クロード・モネの名画『睡蓮』。優しく、静かに、ただそこにある『睡蓮』の絵を前にすると、より一層心が静寂に包まれるのを感じます。日頃の不安や不満はかき消され、次第に、この贅沢なひとときのことを誰かに伝えたいと思う自分を感じたり――。朝の美術館は、そんなゆとりを、私たちに与えてくれるのです。

国立西洋美術館 住所:東京都台東区上野公園7番7号 開館時間:9:30~17:30(金土は20:00まで。企画展は閉館時間の変動あり。※入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜日(休日の場合は翌日)、年末年始 西洋絵画や彫刻など約5,500点の収蔵作品を誇り、2016年には、「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献-」が世界遺産に登録されている。
photo:©国立西洋美術館

text : Aki Tanaka(キクカクハナス)