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Essence for your beautiful life
2017/06/27

photo : Tomoko Kitakami

包容力溢れるヨガニードラで
心と体に慈しみを

家族、仕事、日々のいろいろな出来事――。私たちは、日頃、さまざまなコトやモノに触れながら暮らしています。そして、ふと気づくことはありませんか? あ、今日も、自分ではなく周りのために多くの時間を使ったな、と。けれど、まず優先すべきは自分の時間ではないでしょうか。自分自身を慈しみ、「今の自分が好き」と思える状態を作る。そのうえで周囲に感謝を表したいものです。

この理想の環境を手に入れたい人に、ぜひおすすめしたいリラクゼーション法があります。ヨガニードラと呼ばれるヨガで、現在、スマートフォンで利用できるアプリも存在するほど多くの人に求められているセルフケア法です。

ヨガニードラは、体をまったく動かすことなく、仰向けに寝たままの姿勢で受けます。目を閉じて、インストラクターの声に耳を傾けながら、まずは右手の親指、人差し指、中指……の順に、体の部位ひとつひとつに意識を集中。この働きかけを、手、腕、肩、脇、胸、そして脚の爪先に至るまで行い、左半身にも同様の方法を施すのですが、途中、何とも不思議な恍惚感が全身に広がるのです。

まるで自分の体ではない感覚。不安が柔らかく溶けていく

自分の体が浮遊しているような、けれど床に埋没しているような……。まるで自分の体ではない感覚。そして、体の力が抜けるとともに神経も緩むのでしょう。眠りに落ちる寸前の、ゆらゆらとしたまどろみのなかで、深い安心感も漂い始めることに気づかされます。ヨガニードラを受ける前は、頭のなかに考えごとが渦巻いていたというのに、不安は柔らかく溶けていき、次第に大きな何かに包容されている気分に陥るのです。

10分受けると1時間睡眠したのと同等のリラックス効果を得られるという、ヨガニードラ。“リラックス下手”な現代人は、このヨガを通して、心身を休ませる練習をするといいのではないでしょうか。もしくは、ヨガの世界からヒントを得て、日常のふとしたときに床に静かに座るだけでもいい。まずは、自分自身に静けさと慈しみを。そのうえで次の一歩を踏み出せば、日々はより豊かになるはずです。

text : Aki Tanaka(キクカクハナス)